文部科学省科学技術人材育成費補助事業ダイバーシティ研究環境実現イニシアティブ(特色型)(平成27年度~令和2年度)富山大学 事業報告書
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 富山大学は、平成20年度に文部科学省科学技術振興調整費「女性研究者支援モデル育成事業」に採択されたことを機に男女共同参画推進室を設置し、女性研究者支援にかかる様々な取組みを進めて参りました。それらの取組みは、ここに報告する平成27年度採択の文部科学省科学技術人材育成費補助事業「ダイバーシティ研究環境実現イニシアティブ(特色型)」で採択された「国際型女性研究者育成プログラム」として、更なる進化を遂げています。 本プログラムでは、男女共同参画への意識の醸成はもちろんのこと、幅広い世代のライフイベント(妊娠・出産・育児・介護等)に対応したサポートを備え、更に国際型女性研究者として広い視野を持ち、成果を積極的に発信し、次世代にもより良い影響を与える輝く女性研究者を育成することを目指しました。これまで、女性研究者は往々にして、家庭生活と教育研究の両立のための時間の捻出に苦労し、もどかしい思いを抱えてきたと思いますが、「国際型女性研究者育成プログラム」ではそのような女性研究者のニーズにも対応できるような短期留学助成を開始し、子育て世代を含む様々な世代の女性研究者が留学を果たし、貴重な経験と成果を持ち帰っています。これは本プログラムの様々な取組みの一例ですが、そのような積極的で向上心溢れる姿勢が学内外の若い世代にも波及効果をもたらし、ひいては組織の活性化に繋がると信じています。 令和2年度からは、本学の「男女共同参画推進室」を「ダイバーシティ推進センター」と発展的に改組し、全学的な組織と位置付けました。男女が対等なパートナーとして、また研究者のみならず全ての構成員が多様な価値観を持つことが認められ、自らの能力を最大限に発揮できる環境を整備していくことは、これからの大学運営において必要不可欠な取組みであると考えています。このことが富山大学の発展に繋がります。 伝統的に培われた性別役割分業意識を変えるには、長い年月と継続的な取組みが必要ですが、世の中の空気は着実に変化していることが感じられます。今後も本学において必要とされる取組みや課題を検討しながら、引き続き努力して参ります。国立大学法人富山大学 学長齋藤 滋ご 挨 拶1国立大学法人富山大学 事業報告書(平成27年度~令和2年度)ダイバーシティ研究環境実現イニシアティブ(特色型)

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