文部科学省科学技術人材育成費補助事業ダイバーシティ研究環境実現イニシアティブ(特色型)(平成27年度~令和2年度)富山大学 事業報告書
6/100

 平成17年の富山県内3大学統合時には128名であった女性教員が現在は167名となりました。平成20年度の文部科学省「女性研究者支援モデル育成事業」採択時に「男女共同参画推進室」が新設され、さらに平成27年度には文部科学省科学技術人材育成費補助事業「ダイバーシティ研究環境実現イニシアティブ(特色型)」の採択を受けて「国際型女性研究者育成プログラム」を計画的・意欲的に実行してきた成果だと思われます。この12年間の実績を経て、令和2年度からは発展的改組により「ダイバーシティ推進センター」が新生しました。新しい組織では、ジェンダー平等に加えて、多様な性的指向と性自認(SOGI)や文化、宗教、信条、国籍、年齢、障害等の多様な生き方を認め合い尊重しあって、誰もが生き生きと活躍できる教育・研究・職場環境の創造を目指すこととしました。 本報告は平成27年度採択の「ダイバーシティ研究環境実現イニシアティブ(特色型)」の6年間の取り組みについてその実績と成果および今後の課題について記し、大学内は勿論のこと地域や他機関にも波及し、今後の理解・協力が得られることを願うものです。 本事業は全国的に見ても新しい試みで、国際型女性研究者育成プログラムを導入し、国際的な視野と卓越した実力を持ち、プロフェッショナルな意識が醸成され、次世代への影響力を持つ女性研究者が育つための環境整備を目指しました。具体的には「意識を変える」「組織を変える」「環境を変える」とした3つのプロジェクトを立ち上げ、細かくは30件近くの取り組みを実行し、高い評価を得てきました。その結果、女性研究者の実数や割合の増加のみならず、業績を世界に発信し、そのプレゼンスを高めた女性研究者がロールモデルとなり、次世代への波及効果や、すそ野拡大に繋がり、女性研究者が正当に評価されて上位職への昇任や採用が進み、さらに研究時間を確保するための環境整備が進みました。 国の方でも2020年末に男女共同参画基本計画の第5次計画(2021~2025年度)が閣議決定され、男女が対等に活躍できる社会づくりに向け施策が出されましたが、今後の課題を「社会全体の固定的な性別役割分担意識の存在」と総括しています。富山大学でも意識改革のためのポジティブアクションを打ち出していますが、運営費獲得や人員配置、そして継続性維持や幅広い周知には更なる努力が必要と思われます。今後の人材育成、働き方改革、組織の健康経営により、優秀な人材が集まり、富山大学が一層活性化するように、ダイバーシティ推進事業にも学内外より多くのご理解とご協力を頂けますようにお願い申し上げます。最後に本事業にご尽力いただいた多くの皆様に心より感謝申し上げます。ダイバーシティ推進センター長神川 康子2

元のページ  ../index.html#6

このブックを見る