文部科学省科学技術人材育成費補助事業ダイバーシティ研究環境実現イニシアティブ(特色型)(平成27年度~令和2年度)富山大学 事業報告書
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(5)調査結果からみえた現状と今後の課題アンケート回答者について アンケートは 448名からの回答があり、全体の回答率は11.0%であった。教員の回答率は18.6%、職員の回答率は7.1%であり、回答者のプロフィールについて、性別は男性60.3%、女性39.5%、指定なし0.2%であった。また、年代は40代、50代が多く、合わせて6割を超えている。勤務形態や職種等、その他詳細については割愛する。働き方について (Q1~Q3) 仕事と家事労働の負担との調整で困ったことがあると答えた教職員は全体で55.6%にのぼった。男女別でみると男性は50.6%、女性は63.6%となっている。 常勤の場合、「②仕事のせいで十分に家事ができず、家族に迷惑をかけた」が最も高く(35.5%)、男女問わず仕事の負担が大きいことがうかがえる。非常勤の場合は、「④困ったことはない」が最も高いものの、次いで「③家族間で家事の役割分担の調整ができず、ストレスを抱えた」が高く(33.3%)、その傾向は女性のほうが顕著である(男性6.3%, 女性43.2%)。 年代別にみると、20代では男女とも「④困ったことはない」が最も高いが、30代、40代になると「②仕事のせいで十分に家事ができず、家族に迷惑をかけた」で男性の割合が増加する。一方、女性の場合は40代以降で「②仕事のせいで十分に家事ができず、家族に迷惑をかけた」が最も高くなった。また、40代女性では「③家族間で家事の役割分担の調整ができず、ストレスを抱えた」の割合も高い(36.7%)。50代以降の男性では「④困ったことはない」が最も多くなっている。 仕事と家事労働の負担との調整で「④困ったことはない」と答えた教職員は全体の35.9%となり,前回の調査時(39.3%)とほぼ同等である。困ったことがあると答えた教職員のうち,「①家事負担による心身の疲労により、仕事に悪影響が及んだ」と答えた教職員は全体で4.1%(前回の調査では23.9%)となっており,前回調査時に比べ、仕事と家事労働の負担との調整が上手く行えるようになっている。 時間外労働で困ったことがあると答えた職員の多くが、「④帰宅が遅くなり、家事に支障を来した」と回答している。仕事量が純粋に増えていることが原因であると思われる。また、裁量労働制や労働時間については、59.8%の教員が「①教員自身が、出勤及び退庁の時間を決定できるのでよい」と回答したものの、仕事量の膨大さのため、結局拘束時間が長くなるといった不満があった。仕事と子育てについて (Q4~Q6) 仕事と子育ての調整で困ったこととして、男性は「④仕事の都合で子育てに十分関われなかった」(20.1%)、「②親族の援助に頼り、負担をかけた」(18.7%)、「③子供の学校行事に参加できなかった」(13.4%)の順で割合が高く、女性は「②親族の援助に頼り、負担をかけた」(25.0%)、「⑤子供の病気のため仕事を休んだ」(23.8%)の順で割合が高かった。子供が病気になった場合等の緊急時の対処について、「①家族や知人にお願いしている」(47.5%)、「②仕事を休んで、自分で対応」(39.7%)の割合が突出している一方で、大学や県、市のサポートはあまり利用していない傾向にあった。 育児休業等の利用について、全体の22.4%が取得経験者である。女性は女性全体の44.9%が取得経験者であり、男性は男性全体の9.1%となっている。前回調査時では、全体の33.1%が取得経験者であり、女性の取得率が女性全体の約75%、男性の取得率が男性全体の0.8%であったことを考えると、70

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