文部科学省科学技術人材育成費補助事業ダイバーシティ研究環境実現イニシアティブ(特色型)(平成27年度~令和2年度)富山大学 事業報告書
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男性も育児休業等を取得しようという流れができていることがわかる。しかし、育児休業等の取得率は全体として11ポイントほど低下しており、教職員一人あたりの仕事量(負担)が増加し、取得によって周りに負担をかけたくないという心理が働き、利用しにくい状況が生じていると懸念される。 性別に関わらず、仕事と子育ての両立を図りたい、子育てに積極的にかかわりたい、緊急時もできる限り家族で何とか対処したいという思いがありつつも、実情は大変苦慮している様子がうかがえる。また、育児休業等の取得率向上のためには、気兼ねなく取得できる環境・制度づくりが必要であろう。仕事と介護について (Q7~Q9) 要介護者を介護している場所は、「①家」「②施設」がほぼ同じ割合であった。仕事と介護との調整で困ったこととして、「①親族又は、家族に負担をかけた」(33.0%)、「③要介護者を十分に介護できなかった」(15.9%)、「②仕事が忙しく介護全般に関われなかった」(14.8%)の順で割合が高かった。前回調査時は、有効回答数のうち「困ったことがある」が79.1%、「困ったことがない」が20.9%であった。今回は、有効回答数のうち「困ったことがある」が89.9%、「困ったことがない」が10.1%となっており、仕事と介護との調整で困ったことがある割合がやや増えている。なお、要介護者のいる、または過去にいた教職員のうち、介護休業等の取得経験者は12.1%に留まっている。ダイバーシティ推進センターについて(Q10~Q16) ダイバーシティ推進センターの認知度について、「①概ね知っている」「②なんとなく知っている」をあわせると87.2%となっており認知度は高い。女性研究者を対象として、「ダイバーシティ研究環境実現イニシアティブ(特色型)」関連の支援制度で利用したことがあるものについて調査した結果、「⑦夏季学童保育」「⑩スキルアップ・セミナー」が上位となった。今後利用してみたいものについては、これらに加えて「⑥保育料補助」「④研究サポーター制度」が上位となった。 ダイバーシティ推進センターの活動・支援で参加・利用したことがあるものとして、「①シンポジウム」(13.4%)、「④Smart Café」(8.7%)、「⑨夏季学童保育」(7.9%)の順で割合が高かった。 ダイバーシティを推進することで生まれる効果について、全体、男女の別ともに、各選択肢の割合が非常に似通っており、全体の46.0%が「①多様な人材が活躍できる」と回答している。一方、「⑤よくわからない」を選択した割合が21.7%となっており、確かにはっきりとした効果がみえるまでには時間がかかるだろう。 ダイバーシティ推進センターへのご意見・ご要望や、今後実施してほしい支援・活動について、支援対象の面では、女性のための環境・制度・支援という意見よりも、男性のための家事・育児・介護の施策を充実してほしい、性差のない施策を進めてほしい、ジェンダーばかりに目を向けた施策をとりがちではないか、外国人への支援をしてほしい等、まさにダイバーシティ推進センターが目指すべき方向性に合致した意見が多数あがった。 具体的な提案については、これまで実施してきた施策のほか、特に仕事環境面での働きやすさ、勤務形態の柔軟性・多様性を求める意見が見受けられた。また、教職員や学生の多様化とそれを受け入れるための環境整備、研修会の実施などの意見もあがった。その他の意見では、ワーク・ライフ・バランスのさらなる改善や、多様性のための自由な発想、多様性を受け入れる職場環境づくり、変革期に沿ったダイナミックなシステムの改変が必要であるとの意見があった。71Ⅰ 国際型女性研究者育成プログラムⅡ 3つのプロジェクトⅢ 取組みの成果と今後の課題Ⅵ 資 料国立大学法人富山大学 事業報告書(平成27年度~令和2年度)ダイバーシティ研究環境実現イニシアティブ(特色型)

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