文部科学省科学技術人材育成費補助事業ダイバーシティ研究環境実現イニシアティブ(特色型)(平成27年度~令和2年度)富山大学 事業報告書
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同参画推進委員会の委員を18名から25名へ増員し、平成29年度には、本プログラムの自己点検評価ワーキンググループ及び、外部評価委員会が設置され、本事業の展開の見直しや改善を図りつつ、プロジェクトの活性化と適切な運営に反映させる体制を整えた。さらに、男女共同参画担当理事を配置し、上層部からも全学的な取組が浸透する体制を強化した。 その結果、令和2年4月1日より、「男女共同参画推進室」を学長直属から「ダイバーシティ推進センター」として発展的に改組を行い、全学的組織として、担当理事に加え各部局長も委員会メンバーに加えた「ダイバーシティ推進委員会」を設置して、男女共同参画の視点のみならず、多様な研究者、教職員、学生の就労、就学を支援できるように機能強化と、施策の周知徹底を図り、今後の更なる展開ができる体制とした。2.今後の課題 全国でも新しい試みである国際型女性研究者育成プログラムを導入し、特色ある事業を展開したことは、予想をはるかに上回る効果をもたらした。この国際型女性研究者育成プログラムを本事業で導入することで、研究面のみならず、男女共同参画意識の面でも国際的視野を持ち高い実力を有する女性研究者が年々増え、上位職への登用機会が高まることを目指したが、その効果が表れ始めている。今後も本プログラムの基本的な事項に関しては変更することなく、国際シンポジウムやスタートアップ研究費、短期海外留学助成、研究サポーター、保育支援等を継続的に支援していく。 とくに理工系の女性教員の増加に関しては急務であり、今後の最大の課題である。その対策として、助教への橋渡しとして特命研究員などの配置を行うなどして、優秀な人材である女性のポスドクが他機関へ流出することを防ぐためのポジティブ・アクションを展開していく予定である。また、今後、地域との連携として、大学コンソーシアム富山(県内7高等教育機関)のネットワークを活用し、高等教育機関相互の研究者交流を進め、女性研究者に関しても、人的資源活用を推進するための情報交換を進めていく予定である。 そして今後も女性教員比率の数値目標の達成のため、各部局において採用比率の目標を設定し、これに向け各部局独自のポジティブ・アクションの策定を行う。大学全体の人事の最終決定機関である人事委員会において、採用比率目標に達しない部局への指導監督を行っていく。また、地域との連携として、大学コンソーシアム富山(県内 7高等教育機関)のネットワークを活用し、女性研究者を含めた高等教育機関相互の研究者交流を進め、人的資源活用を推進していく。 富山大学は第3期中期目標として「男女共同参画の一層の充実を図る」を掲げ、具体的な実施計画の中に、これら女性教員の数値目標や、男女共同参画に関する海外・他大学との交流等、本申請事業が定める目標をまさに達成目標として挙げている。 本事業終了後も、本課題で実施した取組の継続性・発展性を確保するため、大学全体の取組としてアピールし、全学的な実施体制を維持し取組の成果を公開し、評価を行いながら次の結果に基づき目標を立て実行していく。そして中期目標の組織運営の改善に関する目標に沿って、優秀な女性、若手、外国人等を積極的に登用し、年棒制の積極的な導入及び適切な教員業績評価を行う。 そして女性教員比率25%、女性教授比率15%、役員及び部局長等の女性比率15%以上を確実に達成し、さらなる事務系女性管理職等への登用(25%は既に達成している)を積極的に進め、大学全体の教育・研究・就労環境を活性化する。75Ⅰ 国際型女性研究者育成プログラムⅡ 3つのプロジェクトⅢ 取組みの成果と今後の課題Ⅵ 資 料国立大学法人富山大学 事業報告書(平成27年度~令和2年度)ダイバーシティ研究環境実現イニシアティブ(特色型)

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