ダイバーシティ・シンポジウムを開催しました

日 時:2023年12月12日(火) 13:30-15:35
会 場:富山大学五福キャンパス 黒田講堂(zoomライブ配信あり)
参加者:177名(会場110名、オンライン67名)

第一部では、認定NPO法人リアルズ理事長の瀬谷ルミ子さんを迎え、「紛争解決という職業:世界で起きていることと私たちにできること」と題して講演いただきました。
海外とは無縁であった瀬谷さんが、高校生の時にルワンダの難民キャンプで撮影された一枚の母子の写真を見たことをきっかっけに、紛争解決の職業に就こうと決意したことからお話しが始まり、世界では今もなおたくさんの紛争や戦争が起きていること、数十年という難民生活を強いられる人々を継続して支援することの重要性について伝えてくださいました。
リアルズでは、元戦闘員の武装解除、紛争による被害者への人道的支援に加え、戦闘員の若者勧誘を予防するための相談体制、コミュニティでの協働体制の構築、人材育成などにも注力しており、女性を平和の担い手として育成する取組みも紹介されました。女性が和平合意に参画すると成功率が35%上がるというデータを示しつつも、女性登用は(女性の持つ本能的な性質や機能といった)母性の話ではなく、弱い立場、不安定な立場としての視点を盛り込むことで持続可能な施策が構築できると話されました。
若い世代に向けたメッセージでは、自らの人生を切り拓く要素として、選択肢と行動の二つを挙げられました。生き方の選択肢には使用期限があり、今やらなければいけないことは今やるべきであり、心が熱くなる出来事に出会ったら、その気持ちが(必ず冷めるときが来るので)冷めないうちに行動したり、記録したりすることが大切だと語られ、参加者した多くの方々の心を鼓舞した講話となりました。
第二部では、優れた成果を挙げた本学の女性研究者2名に対し、齋藤学長から「未知に挑む女性研究者賞」が授与され、受賞者の研究紹介が行われました。女性研究者部門受賞者の楊 熙蒙(ヤン シモン)助教(和漢研)は、破綻した脳の神経回路を再形成するためのアルツハイマー病の新規治療戦略の開発について述べられ、女子学生部門受賞者の井城 綸沙(いき つかさ)さん(薬科学専攻)は、骨格筋萎縮により誘発される認知障害発症メカニズムの解明について研究成果を発表しました。学長からは、「女性研究者のロールモデルとして今後の活躍に大いに期待します」とエールが送られました。


講演の様子

齋藤学長と受賞者