スマート・ポリネーター

 本学の女子大学院生・学部生を「スマート・ポリネーター」として、女子中高生ならびに本学の女子学生に向けて科学の魅力・研究の面白さを伝える次世代育成型啓発活動をしていただきます。この事業は、理工系女性研究者育成及び次世代を担う女子中高生に対する理系進路選択を促すことを目的としています。

今年度、スマート・ポリネーターとして活動してくださる方々を紹介します。


周 雅玲 さん(医学薬学教育部 博士前期課程2年 薬科学専攻がん細胞生物学研究室)


スマート・ポリネーターとしての抱負
 私は高校生の時、生物の面白さに触れて理系の道を選び、科学の学部、生物の学科に進学することを決めました。私の大学時代の専門は生物工学で、工学と非常に関係の深い学問でした。スマート・ポリネーターとして、女子学生たちに科学の魅力を伝え、少しでも理系学生としての進路及び将来について考えるきっかけとなれたら良いなと思っています。

周さんの研究内容紹介
 近年、がん細胞の治療に注目が集まっている。受容体型チロシンキナーゼであるエフリンA型受容体2(EphA2)は悪性腫瘍で過剰発現している。我々は以前、EphA2のSer-897における非正規リン酸化が、リガンドおよびチロシンキナーゼ非依存的にMEK-ERK経路を介してp90リボソームS6キナーゼ(RSK)によって触媒されることを報告した。非正規EphA2活性化は腫瘍増殖に重要な役割を果たすが、その活性化機構は不明である。そのため、シスプラチン耐性を有する肺癌細胞に着目し、そのシグナル経路と機能を明らかにすることを目的とした研究を進めている。



隋 清雅 さん(理工学研究科 修士課程2年 理工学専攻人工知能研究室)


スマート・ポリネーターとしての抱負・研究内容
 はじめまして、隋清雅(すいせいが)と申します。1997年2月25日生まれの26歳です。私は中国出身で、現在は日本の富山大学理工学研究科で修士課程に在籍しています。
 私の専門は人工知能に関する研究で、具体的には進化計算と神経ネットワークに焦点を当てています。研究室では、進化計算の手法を用いて問題解決や最適化を行い、また神経ネットワークの仕組みや学習アルゴリズムの探求に取り組んでいます。日本の大学で学ぶ機会を得て、専門知識を深めると同時に、異なる文化やアプローチに触れることができ、非常に充実した学びの経験をしています。
 趣味はプログラミングや新しい技術の研究です。進化計算や神経ネットワークの最新の動向について常に興味を持ち、それらを実際の研究に活かす方法を模索しています。日本語はまだ完璧ではありませんが、研究室内でのコミュニケーションや日常会話において積極的に使用しています。よろしくお願いします。



Nguyen Thi Minh さん(医学薬学教育部 博士課程3年 生命‐臨床医学専攻臨床腫瘍部)


スマート・ポリネーターとしての抱負
 高校生の頃、私は生物学に情熱を持っていました。それでベトナムの医科大学を受験しました。私はベトナムで腫瘍内科医として働いています。キャリアを築くため、より深く学ぶために日本に参りました。スマート・ポリネーターとして、私の科学研究の情熱と喜びを女子学生たちに伝えたいです。

Minhさんの研究内容紹介
 生物は数十億の細胞で構成されています。細胞が変化すると、制御不能に増殖し、がんを引き起こす可能性があります。私たちはがん細胞生物学を研究しています。私たちはこれらの細胞がどのように機能するかを研究、それらを破壊する方法を見つけます。私たちは毎日培養プレート上で細胞を培養しています。その薬剤はがん細胞を殺す薬剤の有効性を評価するために使用されます。



オカフォー 英理香 さん(総合医薬学研究科1年 総合医薬学研究科 分子神経生物学研究室)


スマート・ポリネーターとしての抱負
 私は高校生の頃から化学に興味をもち、自分の好奇心を追求するために理系の道に進むことを決めました。現在、理系の分野では女性が少ないと思います。女子学生を増やすために若い女性に科学や理系の面白さを伝え、自信を持って進路を選択できるようサポートし、女性も科学の分野で活躍できるよう後押しできたらと思います。

オカフォーさんの研究内容紹介
 脳神経系を構成している基本ユニットのひとつである神経細胞の中には様々な物質が存在します。私たちの研究室ではその分子のはたらきを調べ、記憶学習における脳のはたらきや脳疾患の発症メカニズムを遺伝子発現レベルから研究しています。神経細胞における遺伝子発現や形態変化の調節不全が神経障害の原因となると考えられています。この神経障害と遺伝子発現のかかわりを明らかにすることで薬の開発につなげたいという想いで日々研究に打ち込んでいます。



以上4名で、理工系分野の裾野拡大のため、科学の魅力(花粉)を次世代に届けるポリネイト(送粉)活動を展開していきます。

■ 2023年の活動 ■

・任命式

・北日本新聞webunに、ポリネーター2名のインタビュー記事が掲載されました

・ハッピー・キャリア・ミーティング~薬学分野で活躍中の女性ロールモデルから学ぼう!~

・ハッピー・キャリア・ミーティング オンデマンド配信動画URL申込formはこちら

・ハッピー・キャリア・ミーティングでの配布プログラム・ポリネーター作成コンテンツ



スマート・ポリネーター 過去の活動

2019年

・任命式
・ハッピーキャリアミーティング
・女性研究者ロールモデル集
富山大学 女性研究者ロールモデル集

2018年

・プチ・サイエンス・イン・シック
・ハッピーキャリアミーティング
・夏のリコチャレイベント